a first step.
雨の強い日に退院した
ひさしぶりにシャバに出た
母の弟のともだちのかよこさんの家にしばらく居候だ どれくらいするかもわからないけどとりあえず
初日は眠ろうとしてもうまく眠れなかった
夜中にかよこさんが帰ってきて紅茶を一緒に飲んだ
好きになれる数少ない人間のうちのひとり(けれどもそれもいつまで持つだろうと今からそんなことを考えてしまう)
数日はくたびれて1日中ねていた
よく覚えていない
ただ慣れることが難しくって視界を狭くしていた
パリのテロの事件を知る
わたしはこういうニュースは自分のためにあまり知らないほうが今はいいからなるべく聞かないようにしているけれどもそんな自分もやっぱり苦しい
かよこさんは恋人がベルギーに居るから気が気じゃない
遠くに大事な人がいるってどんな感じなのだろう
とても不安だ なにもかもが不安だ
けれども時間はわたしを前に前に運んでしかくれないからうしろを向いたところで背中や後頭部をぶつだけだ、ととりあえず、そこまではわかった
母の弟からふざけた退院おめでとメール
嬉しい しんみりするの嫌い